○ 新春講演会 2018年1月27日  (土)13時30分~17時   講師に国立国際美術館学芸員 安來正博氏を迎え 「戦後復興期の美術運動―昭和20年代を振り返って」の演題を当時の作品を鑑賞しながら 講演して頂きました。 会場:弁護士会館の洋食倶楽部EN

新春講演会アンケートから☆初めて参加しました。吉田利次先生に指導して頂いた者として、当時よく流れが理解できました。受講して良かったです。       70代男☆「デモクラート」の話はおもしろかったです。戦中、筆を折っていた作家さんもたくさんいたと思います。自由に表現できる今は、幸せだと思います。また戦争ができる国になりつつある今、本当に平和憲法を守りたいものです。60代女

○講演「藤田嗣治、戦争画を中心に」 美術評論家 北野 輝氏

   会場:弁護士会館 洋食倶楽部 2017年1月21日(土)13時~16時30分

北野先生の日本美術会に寄稿された論文を下記のリンクバーからご覧になれます。

 講演会のご参加は45名。懇親会は35名でした。講演会などの様子や終了後のアンケートなどを公開しています。

 

 ●17平美新春講演会アンケート 感想より (2017.1.21 洋食倶楽部EN)

1  左か右か、私達はド真ん中連です。   (大阪市内・80歳以上・男性)
2  藤田画家について、考える機会になりました。(大阪府下・70代・女性)
3  生まれて初めて受けた、大学の授業のようですね。むつかしかったです。作 家の戦争責任・・・そのことを考えるーか?2016年の日本の政治・・・2020  年にむけて考えないといけない状況があるのでしょう。懇親会で新しいことも  わかり、まわりの人との会話で自分の意見を発表できました。全てが初ですが、 よかったですね。ありがとうございました。  (大阪府下・60代・男性)
4 最近の藤田嗣治の絵のとりあつかわれ方にずっと疑問を持っていたので、あ  らためてスライドを見せてもらって、お話を聞いて、しっかり批判したいものだ と思った。技術的にはすごいと思うけど、絵はその人の想いがあふれているから 、感動とかがあると思うし、何のために描いているのかということがとても大切 だと思う。平和美術展の良さは、いろんな人の想いがあふれているからで、技術 はその次でいいと思う。              (京都・60代・女性)
5  切り口が、さすが平美の講演会だと思いました。現在の政治状況ともからめ て、絵画だけでなく芸術家のあり方を問いかけられていると思いました。また、 主権者としての国民1人ひとりのあり方も問われているようでした。絵を見て具 体的に話されたので、より理解が深まりました。サイパンの絵では、石垣りんの 詩にもっとあざやかに絵が浮かぶものを思い出しました。表現の仕方だけでしょ うか。ありがとうございました。        (大阪市内・60代・女性)
6  講演会 国家がスポンサーになってからは、いつ、誰に、どこで彼(藤田)の 絵を公開したのか?戦時に男は戦場へ、女はルスの守りの頃で、見るのは軍人だ ったのか?戦場場面はとても心が痛むし、戦争はしてならないとあらためて思う 。                      (大阪市内・70代・女性)
7  たいへんていねいな講演で、わかりやすかったです。                                  (大阪府下・60代・男性)

      森村恒雄さんに講演会の感想を寄せて頂きました。        

   2 017年関西美術家平和会議新年会での北野輝氏の講演を聴いて
                          高槻市 森村恒雄
 関西美術家平和会議新年会での北野輝氏の講演のテーマは「藤田嗣二の戦争画を再考する」でした。最近の美術界の藤田嗣治に関する動向について、戦争協力者としての責任をうやむやにしたまま、厭戦画家とか戦争の実態を描いたたぐい稀な画家など様々に評価されています。と切り出され、時代とフジタ個人の動向と作品について画像を見ながら話は進められました。 2006年に藤田嗣治生誕120年展が開催されテレビでの数回にわたる藤田特集の放映やPRで一時藤田ブームがわき起こりました。そのときに赤旗紙上に上下2回にわたって北野氏は藤田嗣治の戦争画と戦争責任問題について「戦後美術の再出発に当たって、藤田嗣治にとってばかりでなく日本の美術家と美術界全体にとって避けて通れなかったはずの美術家の戦争協力=戦争責任問題が不問に付されている」とし、その上、「藤田はかえって戦争責任を一人でおわされようとした被害者であったかのような風評が当時の事実を丹念にたどることなくそのまま踏襲されている事である」と戦後間もなくの頃の事実をふりかえって「藤田が戦時下における自分の行為と芸術を新しい視界の中で主体的・自覚的にとらえなおすことができたかどうかである・・・」「しかし、当の藤田はなぜ戦争責任が問題になるのか全く理解できず、わが身に問いかけることもなく、もっぱら外圧と中傷としか受け止められなかったようだ」と語られました。それ以後、一昨年、東京国立近代美術館にアメリカから返還された戦争画153点の中のフジタ作品14点が公開された状況の中で作り上げられつつあるフジタ神話への批判。フジタは確固とした信念に基づいて軍部の求める戦争賛美、戦意高揚を描いたのだろうか?フジタには真実を描くという意思は見られないのではないか、軍部の要求を満たすことによって自らの欲望、名声と画材を手に入れることと、描きたいものが描ける・・・人や獣が争い闘う場面をリアルに描く・・・を満たしていたに過ぎないのではないか。2000万のアジアを中心とした外国人を殺し、300万といわれる日本人を殺した戦争の責任をフジタは露ほども感じたことは無かったのではないかと作品に沿って論を展開され、そこに戦後フジタが日本を脱出し二度と帰らなかった心理を見ることができると話されました。「戦後、美術家の戦争責任の取り方の一つが平和美術展である」と言われた言葉も印象的で、聴きごたえのある講演でした。                                                           2017年1月21日

*2016新春行事  貝原浩「風しもの村」展 好評の内に終了しました。          会期は2016年1月24日~27日終了             関西美術家平和会議主催 チェルノブイリ原発事故後、汚染地域に戻って暮らし“サマショール(わがままな人)” と呼ばれる人々を描いたスケッチ展でした。

         (リンクに【絵描き・貝原浩の仕事を紹介するサイト】を紹介しています)

○貝原浩さんのパートナーの方を迎えての新春のつどい懇親会風景